about 4 years ago

$$
(-2)^{0.8}
$$
はいくつになるでしょう?
一切のごまかし無くちゃんと計算してみようと思います。

定義

\(z,w,a \in \mathbb{C}\) とします

$$
\exp(z) \overset{\mathrm{def}}{=} 1 + z + \frac{1}{2!}z^2 + \frac{1}{3!}z^3 + \cdots
$$

$$
z = \log w \overset{\mathrm{def}}{\equiv} w = \exp(z)
$$

$$
a^z \overset{\mathrm{def}}{=} \exp\left(\log a \cdot z\right)
$$

2番目の式は\(\log\)を\(\exp\)の逆像として定義するということです。よって複数の値を取る場合も考えられます。

以上のように定義することによって(正)実数の中で考えれば慣れ親しんだ指数対数と同じ性質を持ったまま複素数の領域にまで拡張することが出来ます。

公式

$$
\exp(z+w) = \exp(z)\cdot\exp(w)
$$

$$
\log(z\cdot w) = \log z + \log w
$$

定義に当てはめて計算すればでるはず。対数の場合は両辺が集合として等しいことを意味します

$$
\exp(z + 2 \pi i) = \exp(z)
$$

つまり\(\exp\)は\(2\pi i\)の周期関数である。これの証明は難しいと思う…

実際に計算してみる

それでは準備も整ったので\((-2)^{0.8}\)を計算していきましょう

$$
\begin{array}{ccc}
(-2)^{0.8} &=& \exp\left( \log(-2) \cdot 0.8 \right) \\
&=&\exp\left( \left(\log(-1) + \log(2)\right) \cdot 0.8 \right)\\
\end{array}
$$

ここで

$$
\begin{array}{ccc}
\log 2&=&0.3010\dots + 2\pi i n\\
&=&\mathrm{Log}2 + 2\pi i n \\
\end{array}
$$

$$
\begin{array}{ccc}
\log(-1)&=&\pi i + 2\pi i n \\
&=&\left(2n+1\right)\pi i \\
\end{array}
$$

ここで\(n = 0, \pm 1, \pm 2, \pm 3, \dots\)である。
また\(\mathrm{Log}2 = 0.3010\dots \)であり\(\exp\left(\mathrm{Log}2\right) = 2 \)を満たす。

よって

$$
\log(-1) + \log 2 = \mathrm{Log}2 + \left(2n+1\right)\pi i
$$

これを元の式に代入すると

$$
\begin{array}{ccc}
(-2)^{0.8} &=&\exp\left( \left(\mathrm{Log}2 + \left(2n+1\right)\pi i\right) \cdot 0.8 \right)\\
&=&\exp\left(\mathrm{Log}2 \cdot 0.8 \right)\exp\left(\left(2n+1\right)\pi i \cdot 0.8 \right)\\
\end{array}
$$

ここで\(\exp\left(\mathrm{Log}2 \cdot 0.8 \right) = 1.741\dots = 2^{0.8}\)
また\(0.8=\frac{4}{5}\)であり\(\exp\)が\(2\pi i\)の周期関数であることを思い出すと

$$
\exp\left( \left(2n+1\right)\pi i \cdot 0.8 \right) = 1, \exp\left(\frac{2}{5}\pi i\right), \exp\left(\frac{4}{5}\pi i\right), \exp\left(\frac{6}{5}\pi i\right), \exp\left(\frac{8}{5}\pi i\right)
$$

よって以上より

$$
(-2)^{0.8} = 2^{0.8}, 2^{0.8}\exp\left(\frac{2}{5}\pi i\right), 2^{0.8}\exp\left(\frac{4}{5}\pi i\right), 2^{0.8}\exp\left(\frac{6}{5}\pi i\right), 2^{0.8}\exp\left(\frac{8}{5}\pi i\right)
$$

なんと5つも値が出てきました!

まとめ

Googleで計算すると


となりますがこれは\(2^{0.8}\exp\left(\frac{4}{5}\pi i\right)\)の値に等しいです

今回は5つの値が出ましたが指数が無理数などになれば無限個値が出てくることもあります。
指数対数は奥が深いですね

計算間違い等あればコメントくださいm(_ _)m

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